インターン留学GUIDE

「インターン」と「留学」、そして「就活」を通じて、ワンランク上の大学生になるための方法を教えます!

大学生の、一歩先へ。

インターンと留学、そして就活。あなたがスキルアップするための方法がここに。



  

日本人はなぜ英語が上達しないのか?最強の上達法「スラッシュリーディング」のススメ

スラッシュリーディングをする勉強風景
日本人はなぜ英語が上達しないのでしょうか?

今回はそんな疑問にお答えする内容です。

日本人の英語が上達しない理由は、その勉強法にあります。

日本語とは全く違う言語なのに、同じように勉強しようとするから上達しないのです。

今回は、勉強法ひとつでネイティブレベルの英語力に近づける方法をお伝えします。

どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。

それでは、行ってみましょう。

英語の難しさを3つの観点から分析

まずは、英語の難しさを3つの観点から分析していきます。

  1. 聞き取り(リスニング)
  2. 語彙力・表現力
  3. 文構造

聞き取り(リスニング) 語彙力・表現力 文構造 英語は、日本語とは文法や語法・語彙だけではなく、バックの思考方法や表現方法や文化なども大きく異なります。

日本人にとって英語は習得が難しいとされている言語で、特に一定のレベル以上(一般的には高校上級(英検2級,TOEIC450)程度)になると、上達しにくくなります。

実際に語彙や文法・語法の十分な知識がある中学や高校の英語教員であったとしても、英検準1級(TOEIC800)以上の英語力のある教員は3割程度しかいません(文部科学省「英語教育改善実施状況調査」による)。

聞き取り(リスニング)

英語の習得において難しいとされるのが、英語の聞き取り(リスニング)です。

日本語は音(おん)が単純で文字の表記通りにおおよそ発話するのに対し、英語は音が複雑です。

スペリングによって音が変わるうえに、日本語の音との共通項もほとんどありません。

多くの日本人はこの違いに困ってしまい、英語が上達しないのです。

語彙力、表現力

英語の語彙には日本語に対応する適切な語彙がない場合があります(特に動詞)。

対応する語彙があると感じる場合でも、実際には多かれ少なかれイメージがずれていることが多いのです。

また、日本語とは表現も異なるため、直訳では理解しにくいのが英語の特徴です。

場合によっては全く理解できないことすらあるため、そこで上達を諦めてしまう日本人も少なくありません。

文構造

日本人が英語学習で躓きやすいのが、文構造です。

英文は 26 文字のアルファベットから成る単語の並びで構成されており、日本語のような多様な文字(ひらがな,カタカナ,漢字)がありません。

「~は」「~が」「~を」などの助詞もないため、日本語よりも文中の区切りや文構造の把握が重要になるのです。

この複雑な文構造を理解できず、英語の上達を諦めてしまう人も少なくないでしょう。

ネイティブレベルの英語習得は難しい

英語をネイティブのように習得できるという考え方がありますが、実のところ語彙1つですらネイティブ並みに習得することが難しい場合があります。

例えば、“get” は最も基本的な動詞の1つで,日本語では「獲得する」「達する」「用意する」「うまく~する」など様々な意味になります。

しかし,本来の意味は「あるもの(人)がある状態になる」「あるもの(人)をある状態にする」で、ネイティブはこのイメージのまま理解できます。

また、動詞の have は完了形の助動詞としても使われ,「完了」「経験」「継続」等の意味になります。

しかし、完了形の have にも動詞の意味「持っている」が生きており、ネイティブはこのイメージのまま理解できるのです。

さらに、過去形の had は過去完了形や大過去形、仮定法過去完了形で使われることもありますが、ネイティブは「持っている」のイメージの延長で理解できます。

動詞は前置詞を伴うとさらに多様な意味になりますが、日本人がネイティブのようにイメージすることは難しく、イディオムとして暗記するのがふつうです。

一部の英語教材には文法や語法の学習を不要とし、大人でも幼児と同じように習得できるとするものや、日本語の思考を排除した「英語脳」で習得できるとするものがありますが、実際には不可能でしょう。

人間は長い進化を経て言語能力を身に付けてきました。

しかし、近世まで,日本語と英語のような大きく異なる言語集団が広く交流することはほとんどありませんでした。

そのため,人間には大きく異なる2言語の両方を 高度に習得する能力はない(必要がなかった)のかもしれません。

幼少期に両方の言語に接することにより習得できることもありますが(いわゆるバイリンガルですね)、これは個人の素質に依存する部分が大きく、両方の言語とも中途半端にしか身に付かない弊害もあるようです(ダブルリミテッド)。

特に男性は女性に比べ言語能力が低く、深刻な弊害に結び付くことがあります。 言語はコミュニケーションに使われるだけではなく,個人の思考活動にも影響します。

そのため、フィリピンやシンガポールなど英語と母国語の両方が使われている国では、幼少期に敢えて母国語の方に必要以上に触れさせないことがあるようです。

英語上達のためにスラッシュリーディングを活用する

スラッシュリーディングとは、近年注目されている、英語の分を苦や節で分割するテクニックのことです。

複雑な英文でもシンプルにまとめることができます。

スラッシュリーディングをやることによる効果は、主に3つあります。

  1. 分かりにくい語彙や文法・語法があっても意味を推測しやすくなる。
  2. 難しい英文の読解において特に効果が高く,中級レベル(英検準2級(TOEIC450)程度)以上の学習者のトレーニングに向いている。
  3. 文構造や文法,語法などに注意しやすくなり,とかく単調になりがちな多読多聴学習での利用に向いている。

スラッシュリーディングは効果が実証されており、アメリカでは古くから移民の英語学習プログラムに採用されています。

また、最近では日本の高校の授業にも取り入れられ、教科書会社からは学習用の書籍やソフトウェアなども発売されています(東京書籍,啓林館,成美堂,開隆堂,文英堂,数研,教育出版 他)。
なお、スラッシュリーディングはチャンクリーディング、センテンスリーディング、フレーズリーディング等と呼ばれることもあります。

スラッシュリーディングの活用例

以下の英文は、アップル社創業者のスティーブ・ジョブズが、2005 年度のスタンフォード大学で講演した卒業式スピーチの一節です。

有名な一節ですが、英語レベルは非常に高く、もしかしたら英検準1級(TOEIC800)レベルの人でもスムーズに意味を取るのは難しいのではないでしょうか。

I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.
You've got to find what you love.
【スティーブ・ジョブズ卒業式スピーチ(スタンフォード大学,2005 年)】

このような複雑な文でも、スラッシュを入れることで非常にシンプルになります。

なお、スラッシュは that 節や疑問詞節の前に入れており、英文の意味が分からなくても機械的に行うことができます。

合わせて、that 節の主語が長いので [ ] で区切り、難しい語彙にルビ訳を振ってみました。

I'm convinced(確信させる)/ that [ the only thing / that kept me going(前進させる)] was / that I loved / what I did. /You've got to find / what you love. /

 いかがでしょうか?

スラッシュを入れると、とても読みやすくなるかと思います。

文の意味は次のようになります。

このような複雑な文でも返り読みをせずに、英語の語順のまま意味を取ることができるのです。

I'm convinced(私は確信している)/ that [ the only thing](唯一のことは/) that kept me going(私を前進させ続けた)was / that I loved(私が愛したからだと/) what I did(私がしたことを). /You've got to find(あなたは見付けなければならない)/ what you love(あなたが愛するもの)./

 スラッシュリーディングの効果を裏付ける研究

スラッシュリーディングについては多くの研究がなされており、効果についても特にアメリカでは多くの検証がされています。

もちろん、日本でもスラッシュリーディングの効果は研究されています。

例えば国立情報学研究所が運営する論文データベースの CiNii(サイニィ)を見ると、検索語彙にもよりますが日本語の論文が 100 件以上ヒットします。

スラッシュリーディングのやり方

スラッシュリーディングはシンプルで、以下のように句や節で区切リながら読解します。

使われる語彙が決まっているため、慣れれば機械的に行うことができます。

実際、機械処理により区切りを入れるソフトウェアも開発されています。

  1. 句や節で区切る
  2. 長い名詞のまとまりに注意
  3. 挿入部分に注意

スラッシュリーディングはテクニックの要素が強く、トレーニングで強化することが可能です。
ほとんどの文は、1の句や節を区切るだけで十分です。

そのため、まずは区切りに慣れるようにしましょう。

これを手がかりに、2・3も並行してできれば理想的です。

これにより、英文がシンプルになり、分かりにくい語彙や文法・語法があっても、意味を推測しやすくなります。

句や節で区切る

具体的には、

  • 前置詞
  • 接続詞
  • 関係詞
  • 不定詞
  • 動名詞
  • 分詞
  • that 節
  • 疑問詞節
  • whether 節

の前で区切ります。

頭の中でルール化してしまうと、文章の理解も早く進むようになります。

長い名詞のまとまりに注意

文が長く、複雑な場合は、長い名詞のまとまりにも注意するようにしましょう。

主語や目的語、補語が長いときは、全体を名詞のまとまりとして捉えるようにします。

特に主語が長くなると、意味を取りにくくなるので注意が必要です。

挿入部分に注意

スラッシュリーディングにおいて注意しなくてはならないのが、挿入部分です。

挿入部分の前後には、カンマが入ることもあれば入らないこともあります。

特に挿入部分が長くなると、前後の意味が繋がりにくくなるので注意が必要です。

スラッシュリーディングができる「EEvideo」

スラッシュリーディングをおこなうためには、十分なトレーニングが必要です。

しかし、現状では独力での効果的なトレーニングは難しいでしょう。

スラッシュリーディングを解説した書籍などは多いですが、それだけではトレーニング
が十分ではありません。

そこで、今回はアニメや映画・ニュースなどの動画を楽しみながらスラッシュリーディングができる 「EEvideo 」をおすすめします。

EEvideoでできること

EEvideoでは、ユーザーのレベルに合わせてルビ訳を表示できます。

日本語訳も文節ごとに表示されるため、英語が苦手でもスムーズに学習できます。

動画は 500 以上あり、

  • 映画
  • ニュース
  • アニメ
  • トラベルガイド
  • 科学
  • 歴史
  • 不動産案内

などのジャンル分けがされています。

多様なジャンルが用意されていることから、自分の興味がある内容で学習できるのが魅力です。

また,動画はレベル別に5段階に分かれています。

さらに同一の動画でも、ルビ訳のレベルを切り替えたり、文構造を表示/非表示にすることで、幅広い英語レベルのユーザーに対応しています。

実際に英語レベルとしては、中学修了(英検3級,TOEIC300)~上級者(英検準1級,TOEIC800 以上)にまで対応しているようです。

英語が苦手でも、得意でも、自分にあったレベルで学習できるのです。

スラッシュリーディングは日本人におすすめの英語上達法

スラッシュリーディングは、日本人におすすめの英語上達法です。

自分のレベルに合わせて学習できるため、隙間時間でもコツコツと上達を目指すことができます。

世界で使える英語を身につけたいのであれば、、一度スラッシュリーディングに挑戦してみることをおすすめします。

 

それでは、今回はこのあたりで失礼します。